2019年10月、私はこの欄に、VUCAの時代について書かせて頂きました。「VUCA」とは、「Volatility(不安定さ)」「Uncertainty(不確実性)」「Complexity(複雑性)」「Ambiguity(曖昧性)」の頭文字をつなげた言葉であり、経済、企業組織、個人のキャリアにいたるまで、ありとあらゆるものを取り巻く環境が複雑さを増し、将来の予測が困難な状況にあることをいいます。
当社もリスクコンサルティング会社を標榜する限り、想定外の出来事、即ちリスクが襲い掛かってきても、なんとか、事業継続だけはできるように備えておこうと考えていました。
そんな中、世界中がコロナ禍に突入しました。当社の取引先である米国との往来ができなくなったのは本当に痛手でしたが、それでも、これまで凌げたのは、諸先輩方、国内クライアントの皆様の温かいご支援があったこと、それ以外の何物でもありません。本当にありがとうございます。
リスクマネジメントの観点から、元々の事業計画を作り直し、コロナ禍でしかできないことに優先的に取り組んでいくこととしました。元々のスケジュールの律速条件は資金(元手)でしたので、技術的、要員的な問題はありませんでした。
コロナ禍、国の経済対策によって、市場に多大な資金が供給されましたので、政府系金融機関からの融資と国・自治体の補助金を活用することで、資金の問題は解決できました。
資金の問題をクリアできるのなら、会社にこもってできる仕事、今しかできない仕事をやろうと考えて、2021年度末までの目標を再設定を行いました。
①経営コンサルの事業領域を広げるため、有料職業紹介事業許可を取得して、クライアントに人財を提供する。
②大きな組織に属さない現場第一線の作業者の安全衛生、危険予知活動を支援するため、AIを活用したiPhoneアプリ(危険予知支援システム)を開発する。
③経営コンサルの事業領域を広げるため、「経営革新機関」としての国の認定を取得する。
④化粧品製造販売業許可を取得して、(株)オレンジクオリティとのアライアンスを強化する。
⑤通信販売の事業領域を広げるため、オレンジエックスシリーズの新ブランド(リモネスト)のシャンプー・コンディショナーの製造販売を行う。
⑥コロナの影響をまともに受けた中小事業者の支援を行う。
このうち、①④は終了し、③は2021年度末に取得予定、②は2021年11月に着手、⑤は2021年11月販売開始となりました。⑥はできるだけ時間を融通して頑張っています。
2021年度末までにすべてを完了することはできませんが、プロジェクト自体は一歩一歩進んでいますので、あとは、健康を維持しながら進めていくことができればと思います。
そして、このコロナ禍、⑥番を通じて予期しなかった大きな財産ができました。それは、人的ネットワークです。当社の経営も厳しかったのですが、それよりも、中小企業診断士として中小事業者の立場に立ったサポートを行っていきたいと考えていましたので、無料経営相談等を沢山行わせて頂きました。その結果生まれた100名を超える経営者の皆様とのネットワークは、今後の事業経営において、見える形、見えない形での厚みをもたらしてくれるものと思います。
コロナの直撃を受けた飲食店、イベント業、写真館、俳優業、インストラクター、教育業、建設業、製造業等、考え得るすべての中小事業者の皆様とお知り合いになれたことは、何より大きな資産になったと思います。
今後、コロナ第6派も来るでしょうし、想定外のリスクも顕在化してくるかと思います。私たちのみならず、原子力施設に携わるひとり一人が誇りをもって、高い機動性、高いモチベーション、緊密なネットワークを活かして、安全第一、エンジン全開で、それぞれの自己実現を果たしていきましょう。
ご安全に!